F1レースの日のシンガポール体験記~シンガポール編~
9月21日
今回スターアライアンスの世界一周航空券を利用するため、シンガポールを経由する旅程となった。ところが旅程が決まった後でシンガポールのホテルを探すと信じられないくらい高い!調べていると、この日はシンガポールで2008年から毎年開催されているF1グランプリの決勝レース。世界中からファンがやって来る特別な日なのであった。
スケジュールの変更はできなかったので、ブギスにあるイビス・ホテルに1泊3万円以上も出して泊まることにした(ツイン1部屋)。イビスは通常先進国の都市で1泊1万円程度なので、シンガポールの物価高を考慮しても2倍程度になっていたと思う。
ホテルへチェックイン後、早速近くのホーカーズ、アルバート・センター・フードコートへ。
私が前にシンガポールへ行ったのは1989年、大学の卒業論文のリサーチのためにマレーシアへ行った帰りに寄ったとき以来だから25年ぶりとなる。このときはシンガポール名物のチキンライスを食べなかったので、今回はぜひともトライしたかった。
インターネットで調べて、最初は中華街のホーカーズへ行こうと計画していたが、ブギス近辺に何でも揃っていたのと日差しが強くて暑かったので、近場のホーカーズへ。
ホーカーズへ来たのも初めて。先に並んでいる人のやり方を見よう見まねで注文する。
冷やし中華みたいな味。鶏肉がしっとりしていておいしかった!
煮干しみたいな魚だしの麺。やさしい味。
とりわけ感動したのは、さとうきびジュース。皮を剥いた髄をその場で電動の搾汁機に差し込み、出て来たしぼり汁が供される。フレッシュで自然な甘さが心地よい。ちょっと青くささがあるところもクセになる。私はこの味にドハマリしてしまった!!
ジュースのお店はいくつもあったけれど、ここはさとうきびメイン。
ホーカーズはいろんな料理のお店があって楽しかった。
ブギス駅に直結するブギス・ストリートを散策。たくさんのお店と人でごった返しており、シンガポールが多様な人々を吸引している都市であることを感じさせる。
若者でにぎわうブギスの近くにはアラブ・ストリートもある。モスクがあってエキゾチックなお店が並ぶ。
夕ご飯は香港でミシュランの星を獲得、世界一安いミシュランのレストランと言われる「添好運(Tim Ho Wan)」の飲茶。プラザ・シンガポーラ店。行列必至と聞いていたが、F1に人が流れているせいなのか、待ち時間10分ほどでお店に入れた。
このお店の看板メニューは、メロンパンのようにさっくりとした皮(甘くない)の中にチャーシュー饅の餡と同じようなものが入っている点心。餡が甘いので全体として甘じょっぱい味。おいしかったがこれのために日本からでも行きたいというほどではなかった。
直径は6センチくらい。
中を割るととろりとした餡がたっぷり。
ミャンマー、タイで体調を崩して以来、安全運転を心掛けていたので、飲茶は大好物なのだけれども控えめにオーダーした(後から思い返し、片っ端からオーダーすればよかったと後悔)。
にらギョーザ。皮が薄くにらの香りがしっかりする。
野菜の蒸しギョーザ。もっちりとした皮に中の具はしゃきしゃきした食感。
オーソドックスな大根餅。
えびの巻き揚げ。ぷりぷりしていた。
ミシュランの星がついた飲茶ということで、普通の飲茶とどのくらい差があるかと言えば、確かにどれもおいしかったが、次元が違うとか、アイディアが革新的とかいうものではない。値段が高くなく、注文も紙にお客が書き込むスタイルのカジュアルなお店で、高級飲茶店と同レベルのものを食べられる点が評価されたのだと思う。
食後、マリーナベイサンズの光のショーを見ようとマリーナベイに向かって歩き出すも、近辺ではF1レースの開催中。道路が封鎖されていて向こう側に渡れなかったり、行き止まりになっていたりの連続。警備の警官も多数配置されていた。あちこちをぐるぐる迷いながら歩くこと1時間半。やっと湾にたどり着いたのが9時。9時半のショーがあるかと待っていたがなかった(見られなくてショック!)
ライトアップされたマーライオンはシンガポールらしい風情で良かった。すぐ近くがF1会場で轟音が鳴り響いていた。
たくさんの観客がいてレースの様子はスクリーンにも映される。車は猛スピードなので、何が起きたかわからないくらいの一瞬で通り過ぎる。私はうるさい音が苦手なので、そこにいるのがいたたまれない感覚にとらわれてしまった。
来てみてわかったことは、F1の日は街の何もかもが特別だということ。帰りにホテルまでタクシーに乗ったところ、割増料金の上に通行規制のために大幅に遠回りすることになって、通常の倍以上の運賃を払うはめに。ぼったくられたような気がしてしばし落ち込んだ。
レゴもF1。
9月22日
午前中タクシーに乗ろうとしたら行き先が引き続き通行規制の区域だったため、3台に乗車拒否された。地下鉄での移動に変更。
旅の途中で手配したヨルダン旅行の代金支払いにクレジットカードが使えず、銀行振込のみだったので、海外送金を依頼するために三井住友銀行を訪れる。暗証番号カードを家に置いてきたので、ネットバンキングが使えなかったのだ。超高層ビルの立派なオフィスでローカルスタッフが親切に応対してくれたけれど、シンガポールでは非居住者は海外送金できないそう。残念だがヨルダンのツアーはキャンセルすることにした。
昨日食べたチキンライスがとてもおいしかったので、今日もチキンライス。評価の高い威南記(マリーナスクエア店)。
お店によってほんの少しずつ違う。しょうがの薬味に特徴あり。骨つきだった。
ブギス駅で2シンガポール・ドル(約170円)のドリアンを買ってみたけれど、パサパサ味だった。昨日のホーカーズにまたさとうきびジュースを飲みに行った(私は気に入ると徹底的にリピートするのである)。
シンガポールの朝ごはんの定番カヤトーストを専門店で食べる機会がなく非常に残念だったため、チャンギ国際空港のカフェでカヤトーストのセットをオーダーした。半熟玉子がゆるく流れてしまい、うまくパンですくうのは結構難しい。味はカスタードクリームに近いがそんなに印象に残らなかった。次回はぜひ専門店で試したい。
今回のシンガポール滞在は1泊2日と短く、しかも銀行へ行ったりしたのでいろんなことにトライする時間がなかったが、振り返ってみれば、それなりに濃かったような気もする。とにかくF1期間中にファンでない外国人が訪れるのは場違いだったけれど、今のシンガポールのパワーを直に感じることができた。貴重な体験だったと思う。
(2014.9.21~9.22)
続いて、インド編へ