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MTT/SFSコンビのジョン・アダムズの新譜を聴いた
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団がSFS Media でリリースしたジョン・アダムズの新譜を聴きました。
非常に面白いと思いました。私は届いて以来、聴くのを楽しみにして過ごしています。
今回、アダムズの誕生日にあたる2月15日にリリースし、誕生日プレゼントにすると宣言したサンフランシスコ交響楽団。無事期日に発売できました(ディストリビューター経由は3月)。
ハーモニーレーレは微細な表現から、作品の世界観が非常に大きなスケールで描かれています。したがって、マーラー以上に、良いオーディオで聴いた方が断然楽しめる仕上がりです。逆に、オーディオがある方にはぜひ試していただきたい。
ショート・ライド・イン・ア・ファースト・マシンの方は、すっ飛ばす演奏がこの曲だと思っている人は、最初物足りなく感じるかもしれません。しかし、飛ばすテンポでこの曲を演奏すると、やはり前のめり気味になってしまうのだと思います。MTTは1ミリたりとも前のめりにならない鉄壁のリズム感。
特にタンバリン、低弦、金管がそれぞれ違うリズムで組み合わされる部分は、飛ばしていないからこそリズムの妙が冴えるのだと思います。
私はこの録音の日にデイビスホールにいましたが、この部分に関しては、実演より録音の方がリズムのディテイルをより楽しめました。
このCDは、MTTが下(↓)のビデオでしゃべっていますが、新しい作品が書かれて、時を経て残っていくということの何たるかを見せています。今これらの作品の録音をリリースしたことには、そういう問題提起の意味もあるのでしょう。
普段、既に古典となったものを聴くことがほとんどなので、古典になる過程をリアルタイムで体験できるのはワクワクします。
アダムズの作品に関する話が興味深い
サンフランシスコ交響楽団が制作したCDのプロモーション・ビデオ
Harmonielehre
Short Ride in a Fast Machine
*アダムズの話の内容を日本語で手っとり早く知りたいという方は、レコード芸術2012年3月号に、この2つのビデオのアダムズ発言をそのまま文字にしたものが記事として掲載されています。
(2012.2.24)