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MTTタングルウッドのピンチヒッターになる~まとめ~

レヴァインの降板により、タングルウッド音楽祭2010にピンチヒッターで登場したマイケル・ティルソン・トーマス。やはり東海岸のイベントに登場するとメディア掲載も多いため、記事のまとめです。

2週目:MTTのモーツァルトと教育活動のこと

オープニング・ナイトの放送は聴き損ねた私でしたが、2週目の公演はウェブラジオで聴きました。私はウェブラジオをオーディオ・システムにPCオーディオをつないで聴いているのですが、録音はモノラル録音のような音でした。

ストラヴィンスキーの詩篇交響曲&モーツァルトのレクイエム

ボストン交響楽団との2プログラム目は合唱曲のコンサート。新聞のレビューによると、タングルウッド・フェスティバル・コーラスは絶賛されている団体のようですが、ラジオの音からは良さがよくわかりませんでした。

ティルソン・トーマスのモーツァルトは、特に不満はないけれど、何度も聴きたいとも思わない。なぜそう思うのか考えてみましたが、MTTは音の意味や音楽から広がるイマジネーションを重視して表現しているところ、ベートーヴェンより前の古典派は形式ありき、一定の枠の中にあるシンプルな構造の音楽であるため、MTTのそのアプローチで変化をつけられる部分が少なく、聴き手にあまり面白みを感じさせない(別のアプローチが必要ということ)からなのではないかと思いました。

今SFSコーラスで追求しているような透明な声のアンサンブルとの組み合わせだったら、また違った印象を受けたかもしれません。

教育オーケストラのマーラー3番

タングルウッド・ミュージックセンター・オーケストラ(教育オーケストラ)のプログラムは、マーラーの交響曲第3番。

ティルソン・トーマスは教育活動にこんなに成果が出るのなら、いっそのこと教育活動専門になっちゃえば?(ニーズも必要性もあるのだし)というくらい素晴らしい演奏でした。タングルウッドのフェローはレベルが高い。

6楽章出だしのストリングスで、客席とシェドの外が水を打ったように静かになったのも印象的でした。

レヴァインへの凄まじい配慮

先週からタングルウッドのレビューを読んできましたが、どれもこれもこれがレヴァインだったらどうなっていたかに視点を置いており、そこから離れない。そして「レヴァインはかくかくしかじかの点で素晴らしい。トーマスにはそのかくかくしかじかはないけれど」と必ず前置きが入る。

そこまで配慮されるレヴァインにびっくり。

  • MUSIC REVIEW: BSO Opening Night at Tanglewood
    Berkshire Living
    July 10, 2010
    タングルウッドのフェローやBSOを出発点としたティルソン・トーマスがこんなに成熟して帰ってきたことが感慨深いという指摘。それこそがタングルウッドの存在意義なのだと思います。

(2010.7.19)

オープニング・ナイト

プログラムはマーラーの「復活」。いつもの調子で大成功だったもよう。

  • もう一つオープニング・ナイトのレビュー
    このレビューアーは、現在のMTTのマーラーがどんなものか知らなかったみたいで、どえらく驚いている。が、若い頃を知っているみたいで、「あのムカツク若造がこんな大成するなんて、、、」と書いていておかしい。
    As Tanglewood Sub, Tilson Thomas Gets Most Out Of Boston Symphony
    Hartford Courant
    July 10, 2010
  • 「復活」のリハーサルを紹介した記事
    オーケストラに要求した内容が詳しく紹介してあります。この記事を書いた人には「え~?」の連続だったみたいですが、SF的にはこれで普通。
    Mahler’s Second Symphony, the Tilson Thomas Way
    New York Times
    July 9, 2010
  • タングルウッドでのマーラーの思い出(バーンスタインの「復活」のこと)
    バーンスタインの逸話は、MTTにしゃべってもらうとより面白い。MTTはバーンスタインに関する本を書けばよいのに、と思う。
    Michael Tilson Thomas Looks Back on Bernstein and Mahler
    New York Times
    July 9, 2010
  • MTTのスコアを入れるバッグの話
    ニューヨーク・タイムズのMTTがタングルウッドの芝生を歩いている写真で肩から提げているバッグ。どこのお店のものか早速チェックが入っていました。スコアを持ち運ぶ用に作ってもらったのだそう。以前のエコ・バッグに続く持ち物チェックの記事。
    こちら

今後も記事が出たら追加していきます。

(2010.7.11)