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MTTへの高給批判・続報

サンフランシスコ市の大赤字をどう減らすかに端を発した、ティルソン・トーマスへの高給批判。騒動は波紋を広げ、今度はあちこちから、

MTTの価値を考えたら安いではないか

という擁護の声が上がっています。

最大の援軍は、ロサンゼルス・タイムズ。Michael Tilson Thomas: Worth every penny という題で大きく取り上げ、ティルソン・トーマスの1.6百万ドルの報酬が高いとは笑止千万だと書いています。

そこでも引き合いに出されるマゼール。よっぽどコストに見合わないと思われているのか気の毒(ニューヨーク・タイムズにも北朝鮮行ったことくらいしか目立った成果がないと書かれていたし)。

ティルソン・トーマスがサンフランシスコにもたらした価値を計算してみれば、年間1.6百万ドルなんてすぐにペイするだろう、もし彼なしで、サンフランシスコが洗練された都市のイメージを作ろうとしたら、いったいいくらかかるかわかっているのか?と書いてありました。

サンフランシスコ市民からも同様の声が上がっているようです。

一方で、ティルソン・トーマスの価値は認めるとしても、サンフランシスコ市が財政難の中、それだけの報酬を支払える団体に対して、税金から補助金を出すのは、税の使い道として果たして妥当かどうか、やはり問題なのではないかという指摘もあり、それはその通りなのだと思います。

しかしこれを言ったら、アメリカ中のオーケストラで行政から補助されることが問題になるでしょうし、仮に今回の騒動でティルソン・トーマスの報酬が下がるようなことがあれば、それは世の中の指揮者相場に波及してしまうでしょうから、問題の根は深い。

引き続き騒動は要ウォッチングです。

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この騒動からもわかるとおり、ティルソン・トーマスの価値の話は、もはやサンフランシスコ交響楽団にもたらした価値の話を通り越し、サンフランシスコの都市の価値への影響レベルで議論される話なのです。

サンフランシスコのホテルに置いてある、サンフランシスコの見どころを紹介する本にも、ゴールデンゲートブリッジ、チャイナタウンなどの観光スポット、レストランとナパワイン、そしてパフォーミング・アーツというのが目玉になっていて、MTTの写真がばーんと載っていますから。

(2008.12.15)