トップ>here
MTTのレシピでユダヤ料理“カーシャ”を作ってみた
昨年暮れにティルソン・トーマスは、人気フレンチ・シェフのジャック・ペピン（ピピン？）がホストを務めるKQED-TVのEssential Pepinというテレビ番組に出演、料理を披露しましたが、この度、SF在住のMTTウォッチャーの皆さまのご協力で番組を見ることができました。
せっかくなので、この番組でティルソン・トーマスが紹介した、ウクライナ地方に伝わるユダヤ料理“カーシャ”を作ってみました。
ウィキペディアによると、カーシャの中でもっともポピュラーなのは、そばの実のカーシャ。挽き割りのそばの実をセロリ、タマネギ、卵などと炒めてからスープで炊いたもので、お粥よりも水分が少ないものらしい。これにショート・パスタを加えることもあるそう。
MTTのレシピは、そばの実のカーシャでショート・パスタと合わせるのだけれど、お粥状ではなく、スパイスを効かせて独自にアレンジしたもの（ペピンが味見して、イノベーティブな料理だねと言っていた）。
出来上がり
完成までの道のり
そばの実をざっと洗ってフライパンで空炒りする。MTTのひねりはフェンネルシードを加えること。彼は最初から加えていたけれど、焦げるのが怖かったので、私は途中で投入。分量はテキトーだが、そばの実200グラムに対して、フェンネルシード大さじ1弱くらい。
焦げないように気をつけながら、茶色く色づくまで炒る。
そばの実に合わせるのは、ファルファッレ（蝶ネクタイ型のパスタ）、玉ねぎ、にんにく。パスタ適量をゆでる。この料理は肉などのコクが出るものが入らないので玉ねぎは重要。MTTの説明はよくわからなかったのですが、推測するに、チキンスープを作るときに一晩冷やすと上に浮いて固まる脂を使って炒め煮する、と言っていたのではなかろうか。が、しかし、そんなことはやっていられないので、レシピを変更。粗みじんに切った玉ねぎを多めのオリーブオイルで炒め煮。にんにくは彼は別に用意していたけれど、私は玉ねぎに少し火が通ってからみじん切りしたにんにくを加えました。番組でMTTは、ユダヤ人なのににんにく食べるの？と突っ込まれていました。
仕上げ。準備した素材をボールで合わせる。
MTTのひねりはスパイスで、「ジーン」と言っていた知らないスパイス（花椒に似ている）をすり鉢でつぶしたものと粒状のラベンダーを入れていました。スパイス専門店で探しましたが、この2つは見つからなかったのであきらめることに。ただスパイスがフェンネルシードだけだと味が単調だと思ったので何が合うか考え、フレッシュな香菜（シャンツァイ）を粗みじんにしたものを加えることに。
味付けは、塩・コショウ。シンプルなので塩かげんは重要。私はモンゴルの岩塩を使いました。玉ねぎのオイルが全体をまとめる役目を果たします。
完成！
お料理ブログみたいにがんばってみましたが、お料理ブログと違うのは、背後にかすかにオーディオが写り込んでいるところ。
お味は？
とってもおいしかったです。フェンネルシードがポイント。香菜のアイディアも正解でした。そばの実がカリカリしていて歯触りが楽しいし、白ワインに合います。日本人はそばと言えば、打った蕎麦とせいぜいスープの実くらいしか思いつかないので、こういう食べ方は新鮮。簡単だし、作り置きできるのでパーティ向きでもあります。
朝食の甘い食べ方
番組でMTTはもう一つのカーシャの食べ方を披露。毎日朝食に食べているそうで、そばの実を再加熱してクリスピーにし、自家製アップルソースと混ぜ合わせ、つぶしたカルダモンを少量振りかけて食べる。アップルソースはグリーンアップルにレモンゼストを合わせ、少量のライムの絞り汁、カルバドスを加えたもの（砂糖には言及していなかったと思う）。見た目黄色くて栗きんとんみたいでした。
このソースのバリエーションとして、生のショウガを仕上げに加えるバージョンも紹介。皮つきのショウガをスプーンでガリガリ削っていたけれど、手つきが本当に手慣れていて、チャカチャカ進む。
MTTは間断なくしゃべる
番組では最初に、クラシック音楽って何？ということをヒトコトで言うと風に説明。MTT語なのですが、本質を突いており、それに対するペピンの質問も、一つの分野を突き詰めてきた人ならではのものでした。
料理をするようになったきっかけは、お父さんが料理上手だったことによるというエピソードや、クラシック音楽の作品は長さが決まっているから、料理時間を測るのに使える。マラ9の1楽章は25分と言っていました（何回演奏しても、同じテンポになるMTTらしい。ちなみにSFSとのCDでは30分22秒）。
MTTの小さい方のプードル、バンダも番組に登場しました。バンダちゃん、男だったのか（MTTが紹介するときに「彼」と言っていた）。。。私は雰囲気からてっきりメスかと思っていました。
という訳で、ビデオ録りにご協力いただいた皆さま、ありがとうございました！
（2011.3.6）