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MTTのマーラー 8 聴きました!
ここ10日間、毎日ドキドキしながらポストを覗いては、「来てない、、、」とやっていた私。ついに届きました、MTTのマーラー8のCD。
最初にやったことは、ブックレットの曲目解説の解説者名探し。ちゃんと「マイケル・スタインバーグ」とありました。彼は先月末に亡くなったのですが、交響曲全曲彼に書いてもらうことができて良かった。
感想・レビューはゆっくり書くとして、今日のところはファースト・インプレッションを書きます。
- 最初に入っている交響曲第10番からアダージョが、いきなりちょっとない構成力&完成度。この1曲のために3,500円払っても、十分元が取れると思います。曲が終わると「もう千人聴かなくていいから、そっとしておいて」と思うくらい。彼らも次のトラックまで20秒くらいあけていました。
- 千人は、今までリリースした作品に輪をかけて抜けがいい音で、響きの透明性にこだわっていることや解釈と相まって、向こう側が透けて見えるような演奏。
- 今回も録音レンジの幅が非常に大きいです。私はいつもMTTのマーラーをかけるとき、うちのオーディオのボリュームの数字を40にしているのですが(一般のCDの場合だと35でも音が大きすぎるくらい)、この千人は45にしても弦の高音のトレモロとかシンバルなどがほんの微かにしか聴こえない箇所があるくらい幅があります。
- 合唱は予想したよりも距離があるように感じました。実際、ホールのセンターテラス席で歌っていたので距離があるのですが、最大音量がもう少し大きくても良かったかなと思いました。これに関しては、クオリティ重視で人数を多くしなかった結果でしょう。
- 2大聴きどころは、何と言ってもJungfrau に入る前からの一連のところと、komm~Blicket auf の部分。これが14年かけてMTTがつくったオーケストラなのだと思います。
- 栄光の聖母、ケント・ナガノはリア・スピーカーから聴こえるのですが、MTTはレフト・スピーカーから来ました(バンダもフロント)。
- とにかくハーモニーとバランスを聴いていただきたい。第Ⅱ部780小節からの部分のハーモニウムの和声が流れている感じなど、ここは実演聴いたときにはテンポの選択にあ然としたのと弦とハープに耳を奪われていたので、気づきませんでした。
- 全体として、ライブでやったまま録れていて、そのとき受けた印象と同じだと思いました。採用されたのは、4日目の演奏か?
(2009.8.19)
追記
CDレビューを別途書こうと思っていたのですが、昨年のレコーディングのリポートからいろいろ書いてきたため、さすがにもう書くことがありません。
付け足すとしたら、第10番からアダージョは、私的には彼らのシリーズ最高峰かなというくらい圧倒的だと思います。千人の方は、演奏は声とオーケストラが一体化されている点がポイント。録音は音像の一つひとつの焦点がスパーンと定まった感じがします。
おまけ:千人聴いた後にMTTの大地の歌を聴くと、大地の歌は作品がいかにアヴァンギャルドかに気づかされて面白いです。
とにかく、一人でも多くの人に聴かれることを心から願ってやみません!
(2009.8.24)
- 余談その1
サンフランシスコ交響楽団からマーラー・フェスティバルのDMが送られてきました。彼らは今まで海外にはDMを出していなかったのです。マーラーは海外からも集客できると踏んだのでしょう。 - 余談その2
タングルウッド音楽祭に21年ぶりに登場したMTTは、ボストンのお客さんに嵐のような喝采で迎えられたそう。
→ボストン・グローブ (今のMTTをよくとらえている写真だと思う)
→ボストン・グローブ・第九編 (トーマスがんばる)