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KEEPING SCOREの教育プログラム
KEEPING SCOREは、ドキュメンタリーを観て、ライブ演奏を聴いて、ウェブサイトを見て「面白かった」で終わるプロジェクトではありません。
その先に、教育とコミュニティプログラムが広がっているのです。
教育プログラムとはどのようなものか、ウェブサイトを見てみると、私たちが一般にイメージするものとは発想が違っていて、新鮮な驚きです。
音楽そのものを教えるのではなくて、主要教科を学ぶ際に、音楽をコミュニケーションや感情表現の能力を高めるための手段として取り入れようというものなのです。
そして彼らは、まず学校の先生を対象に、これら音楽を教育手段に取り入れる方法を学ぶ研修を行っています。例えば、
国語
● 音楽を聴いて、それをどう聴いたかについてプレゼンテーションすることで、批評する力とコミュニケーション能力を養う。
● いろいろな音楽を聴いて、それを3つのジャンルに分けてみるという作業を通して分析力を養う。
● ベートーヴェンの運命の音楽、その時代の歴史、ベートーヴェンの年譜の3つを素材に物語を書いてみる。
歴史と社会
● アメリカの歴史を学ぶときに、その固有の音楽を打楽器を用いて体験する。
● 奴隷制度を学ぶ際に、奴隷の境遇を想像するためのツールとして、奴隷たちに起源がある音楽を用いる。
算数と理科
● 分数を学ぶときに、リズムの記譜法とその演奏の仕方のしくみを取り入れる。
● 太陽系のしくみとか各惑星の特徴を考えるときに、何に着目するかという視点を養うための素材として、ホルストの惑星における惑星毎の音楽の違いを用いる。
芸術
● 音楽と美術における「線」の概念とはどういうものか考える。
● コープランドの「common man」を聴いて、楽器の構成や和声の変化によって、自分の感情がどう変化したかを観察する。
というような内容なのです。面白そう。
アメリカでは、美術も同じように主要教科の理解に役立てるために用いられている模様。サンフランシスコ交響楽団には、教育プログラムの専門スタッフが4人もいる上に、他の機関との連携も進んでいるようです。
コミュティプログラムの方の詳細は、今後発表される予定です。
(2007.1.14)