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4.MTTから学んだこと

私はここ1年のMTTウォッチャー活動で、本当に多くを学びました。中村天風の本を読んだときよりも、遥かにインパクトがありました。教育者MTTは、ファンをも教育してしまうのです。以下思うところをいくつかあげます。

努力と継続

私はティルソン・トーマスは天才だと思っていますが、それでも彼のアウトプットの98%は努力だと思います。それくらい彼の発する言葉の一つひとつや姿は努力を感じさせます。一つのことを継続してやり抜くということが如何に大切かも痛感させられました。彼こそプロフェッショナルと呼ぶにふさわしい人だと思います。

信念

ティルソン・トーマスは中堅オケだったサンフランシスコ交響楽団を鍛え上げ、ヨーロッパに出て行ってはアメリカンをやっています。その後ろ姿には有無を言わせない迫力が漂っていて、何がそこまでさせるのかと思わずにいられません。

彼はニュー・ワールド交響楽団についても、最初はただの夢にすぎなかったと語っていますが、ここまで育てたということもまた信念によるのでしょう。

平易な言葉で明確に論理的に語る

ティルソン・トーマスのビデオでの語りを見て驚いたのは、彼が力強くクラシック音楽の未来について語っていたということとともに、言葉が明確でわかりやすいという点です。これは意外にできる人が少ないのではないでしょうか。多くの人に伝えて共感を得るためには重要なのだと思います。

また彼がオーケストラメンバーに作りたい音楽について、論理的に説明していたのも印象的でした。サンフランシスコ交響楽団の音楽は、隅々までティルソン・トーマスのコントロールが効いていますが、これは彼の音楽的解釈に各オーケストラメンバーが同意した結果の総和なのです。

MTTはどこまでもMTT

MTTはどこまでもMTTで、首尾一貫した彼のスタイルがあります。それは練り上げのエキセントリックさをはじめとする音楽面はもとより、指揮の派手なアクション、ファッション、人生での選択など全てに及んでいます。そして誰も何もいえない状態まで貫き通しているのです。その強さは多くの人に元気を与えていると思います。

5.アメリカンはゆく