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2010年を振り返る~今年印象に残った演奏~
年末につき、いたるところで今年の「○○トップ10」をやっているのを目にしますが、私も今年聴きに行った中から印象に残った演奏を5つ選んでみました。
- アイヴズ/ブラント コンコード・シンフォニー
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団(2月)
鮮やかな音楽でした。CDのリリースが楽しみ。
- ショスタコーヴィチ「鼻」
メトロポリタン・オペラ(3月)
ウィリアム・ケントリッジのプロダクション。あらゆる点でクリエイティブ。
- マーラー 交響曲第2番「復活」
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団(3月、カーネギーホール)
数ある要素のバランスがとれており文句なし。
- ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」
サロネン&フィルハーモニア管弦楽団(9月、ルツェルン音楽祭)
空間の使い方、音響などが新鮮でした。偶然かもしれないけれど、サロネンとMTTを連続して並べたルツェルン音楽祭のセンスはすごい。
- ラヴェル ダフニスとクロエ第二組曲
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団(9月、ルツェルン音楽祭)
オーケストラの光り輝くサウンドは忘れられません。
コンチェルト
MTTを聴くということに関して言えば、今コンチェルトの求道ぶりが本当に面白い。
本人弾き振りぶっちぎりパフォーマンス(モーツァルト23番)なんてのもありましたが、何と言ってもインターネット・ラジオで聴いたブロンフマンとのブラームス1番(シカゴ響)が、解釈、ピアニズム、オーケストラの全てが高い次元で結実していたと思います。
テツラフとのベルクも音楽の親愛さ・親密さが印象に残っています。
注目はベートーヴェン、ブラームス
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団コンビを聴くのなら、ベートーヴェンやブラームスなどの超定番、もう演奏が出尽くしたと思うような曲が要チェック。
思いもつかないようなアイディアと完成度になっていると思います。
私もインターネット・ラジオで聴いた「田園」(嵐のシーンの描写が、ヴェルディのオペラの嵐のシーンの音楽ってベートーヴェンのパクリ?と思わせるほどドラマチック)や、ブラームスの交響曲1番の4楽章の冒頭部分(「ラインの黄金」で黄金が現れるときみたいに、光が変化して聴こえた)、前出のブラームスのピアノ協奏曲1番のピアノとオーケストラの音の重ね方など、生で聴いて確かめたい曲がたくさんあります。
メディアの評を見ると、今年のサンフランシスコ交響楽団は、12月のプロジェクト・サンフランシスコのジョン・アダムズの成果が大きかったもよう。MTTはハッスルしていたところ、指揮棒が手から離れてしまい、客席の1列目に落ちたのだそう。1列目まで相当距離があると思うけど、きっと右左右左高速でやっていたのでしょう。あれなら1列目まで飛んで行くかもしれない(新聞記事になっていた)。
さて、2011年はどんな演奏が繰り出てくるのでしょうか。楽しみ。
(2010.12.25)