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2009-2010シーズン・オープニング・ガラ
9月9日サンフランシスコ交響楽団の2009-2010シーズンが開幕しました。地元ラジオ局のKDFCが、オープニング・ガラを生放送したので、私もウェブラジオで聴きました。
最初のナショナル・アンセム(国歌)の前奏のスネアドラムをド派手に演奏したり、客席のザワつきを笑いをとって静かにさせるのは、いつものティルソン・トーマスのパターン。
3つのワルツ
コンサート前半のプログラムは、3つのワルツと称して、リストのメフィスト・ワルツ第1番、ラヴェルのラ・ヴァルス、ロジャースのCarousel Waltz。
メフィスト・ワルツの出だしの低弦が期待通りで、「今シーズンもやってくれるんだ」と皆思ったことでしょう。もっともガラに来ているのは、普段と違う層も多く混じっているけれど。
その後も「そうそう、それでこそ存在価値ありってもんだ」という演奏。
ラ・ヴァルスは今年2月にも取り上げましたが、その時とまた違った印象でした。
最後のCarousel Waltzはミュージカルの曲なのですが、2007年のウィーン公演のアンコールで、ティルソン・トーマスが観客に向かって、
「あなたたちのためにワルツを演奏します」
と言い放った曲。そのセリフを聞いて根性にあ然としたので、よく覚えています。こういう曲をとびきり素晴らしく演奏できるということが、意外と誰でもできることではなくて、このコンビの真髄なのではないかと私は思います。
ラン・ランのプロコフィエフ3番
コンサート後半は、ラン・ランをゲストにプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番。ラン・ランは、ティルソン・トーマスが好んで共演しているアーティストたちと路線が違うので、どういう音楽になるのか楽しみでした。
結果は、既成概念にとらわれないの2乗みたいな感じで、良い方に作用して、どこまでも限界がないような演奏だったと思います。このコンビで他も聴いてみたいです。会場のお客さんもすごく沸いていました。
アンコールにショパンのエチュードからエオリアンハープを弾いたのですが、これはなかった方が良かった。せっかくプロコフィエフで良い気分だったのに、底の浅さを見せられたような気がしたから。
15期目に突入
ティルソン・トーマスは、サンフランシスコ交響楽団の音楽監督になって今シーズンで15期目(これを記念して、今シーズンは一部の席がMTT15と銘打って15ドルです)。
シーズン・オープニングから、存在自体が問題提起みたいな雰囲気をまたもかもしていましたが、今シーズンもどんな音楽を聴かせてくれるのか、期待しています。
(2009.9.10)
オープニング・ガラは趣向にも凝っています
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