第1回 それは音楽と呼べるか?
KEEPING SCOREラジオ版の「The MTT Files」。ラジオ版は毎回ゲストがいるというから、軽いトーク番組なのかと思ったら、、、甘かった。
これは、テレビシリーズよりも何倍もハイパーなMTTワールドです。1時間びっちり、余計なことは一切なしに音楽の話をしています。しかも、音楽と彼の語りが交互に出てくるのですが、語りがあまりに淀みなさすぎて、あっけにとられます。
さらに、テレビシリーズの時も思いましたが、この番組に台本はあるのでしょうか?何を話すかは、MTTの頭の中でしかわからないような内容(だから「MTTファイル」)。言葉を選んだり、考えたりしている間が全くありません。
こういうインパクトある番組ですが、内容は「今までそういう切り口で考えたことはなかった!」というもので、面白いです。
音楽とノイズの境目は何か、音を聴いてリスナー自身が考えてみようというもの。
まず、音楽がどう発展してきたかをグレゴリオ聖歌から簡単にたどります。
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次に、音楽以外のものを音楽の中で表現しようとする試みは、古くからあったという例を聴きます。
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そして20世紀になり、録音技術や電子音楽の発達でノイズを使った表現が多様化したと展開します。
この20世紀の部分が、ものすごいサンプル量です。
最後にスティーブン・マッキーが登場し、ジミー・ヘンドリックスなどの影響や、自分の音楽におけるノイズ(彼はノイズと思ってないそうですが)について語ります。
彼がサンフランシスコ交響楽団で初演したという曲(KEEPING SCOREに映像だけ入っている)が、とても面白そう。MTT&SFSのキャラクターにぴったりです。
いろいろな音楽的バックグラウンドを持っている人たちに、様々な角度からクラシック音楽の楽しみを伝えようというKEEPING SCOREプロジェクト。わが道をゆくMTT。次回以降も楽しみです。
(2007.4.7)