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空港に史上最大の飛行機がやって来た!

カリフォルニア州サン・ルイス・オビスポ郡の地方空港に、開港以来最大の飛行機がやって来たとローカルニュースが報道しています。

と言っても、150人乗りの Boeing 737-400。

乗っているのは、サンフランシスコ交響楽団の125名。チャーター機だそう。

ローカルニュースが着陸の様子を動画で流していて、MTTが降りてくる。
こちら

このサン・ルイス・オビスポは人口約44,000人。こんなところにマイケル・ティルソン・トーマスとサンフランシスコ交響楽団がやって来たと、それだけで大きな話題に。しかも来ただけでなく、あの超練り上げ音楽とプログラムを持って来た。

どこまでも何か違う路線を歩んでいる団体ですが、ツアーはなじみのない曲に対するティルソン・トーマスのイントロダクションも含めて好評の模様。

考えてみれば、普段一流の演奏を生で聴く機会のない人たちに聴いてもらうことこそ、大きな意義があるのかもしれません。

ツアーの曲目などについては

西海岸ツアーに関する過去の記事
プログラミングだけでよその国の新聞記事になるオーケストラ

(2009.1.24)

追記:ネットに出ているコンサートの感想記事を見てみると

約30年ぶりのシアトル公演

以前はシアトル交響楽団とサンフランシスコ交響楽団は、同じくらいの規模とレベルだったそう。

サンフランシスコ交響楽団が今やサンフランシスコの文化のリーダーになっている状況を見て、自分たちの地元のオーケストラはどうあるべきか考えさせられたという意見が出ていました。

何せ先日私が見た「サンフランシスコ・スタイルって何?」という若者のライフスタイルを紹介する記事でも、「夜はシンフォニーに出かける」と書いてあったくらいですから。本当にシンフォニーに出かけるのがイケてるライフスタイルなのか??

やはりサンフランシスコ交響楽団には演奏内容うんぬんとは別に、オーケストラのあり方や役割などを考えさせる、問題提起機能があるのだと思います。

ベルクの曲はシアトルではめったに演奏されないそうで、それを聴かせるためのティルソン・トーマスの工夫についても触れられていました。

記事はこちら
Crosscut Public Media

Seattle Post

人口44,000人のサン・ルイス・オビスポ

こちらは「MTTを近くで見た!」ということから始まり、

「本当にロックスターみたいだ!」

と続き、「イカすぜ、すげーゼ、クールだぜ」みたいな感想。

60過ぎて本人大真面目にやっていても「ロックスターみたい」と言われるMTTって、やっぱりグレイト。

(2009.1.26)

ロサンゼルス

ロサンゼルス・タイムズがチャイコフスキーの交響曲第5番について、1974年のバーンスタイン&ニューヨーク・フィルに匹敵するレベルであると書いていました。

こちら

ロサンゼルス・タイムズはティルソン・トーマスに好意的。Angeleno(ロサンゼルス出身者のこと) だから?

このレビューの中で注目したのは、サンフランシスコ交響楽団が配ったプログラム・ノートに、執筆者のマイケル・スタインバーグ氏(ティルソン・トーマスがボストン響でデビューした頃からずっと聴き続けている方。マーラーのCDのライナー・ノーツも彼が書いている)が、

チャイコフスキーの5番でさえ、かつてはニュー・ミュージックであり、当時論争を呼んだ新しい音楽だったのだ。

と書いてあったのが、ティルソン・トーマスの解釈に賛否が分かれることを予想して書いたのではないかとあったこと(ロサンゼルスの聴衆から否の反応はなかったそう)。

私が思うに、過去いろんな人のいろんな演奏を聴いてきた人で、今ティルソン・トーマスを応援している人の心境って、

「骨は拾ってやるから思い切り行け!」

みたいな感じなのではないかと。だから何だか知らないけれど露払いというか、フォローに回っちゃう。

個人的にウケました。

(2009.1.28)