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猛暑の中のコンサートのチラシ営業に思う
私は、目白にあるフルート専門店のフルート教室に通っています。
先だってレッスンに行ったところ、某有名避暑地で開催される音楽祭のコンサートのチラシと事務局の方の名刺が置いてありました。
聞けば、営業にみえて置いて行ったとのこと。「今コンサートの集客はどこも大変みたいよ」ということでしたが、私は少なからず驚きました。
なぜなら、その教室はコアなフルート好きがたくさん集まっているのですが、例えばヤマハの大人のための音楽教室のように大勢の人が出入りするような場所ではないし、駅からもちょっと歩く場所にあるのです。
だからここに来たということは、相当に細かく楽器店や音楽教室を回っているであろうことを意味する。
しかも私の経験上、自分で楽器を演奏する人とコンサート・ゴーアーはあまり重ならない。この猛暑の中、投下した労力に対して効果が極端に少ないように私には感じられたのでした。
置いて行ったというチラシを見てみると、日時、場所、曲目、演奏者くらいしか情報がなく、これでは行きたいかどうか判断できません。
避暑地のコンサートの場合、そこで過ごすことができる比較的富裕な層とそれが聴きたくて出かける人とお客さんはほぼ2種類だと思います。前者は「上質な時間を過ごす」ことに価値を感じる人たちでしょうから、演奏プラスアルファのプレミアム感が重要だろうし、後者はクラシック音楽に詳しい人たちでしょうから、そのアーティストの音楽的思想や企画の意図を伝えることが重要なのではないでしょうか。
試しにその音楽祭のウェブサイトを見てみましたが、そのような情報はありませんでした。
私は国内のコンサートのDMはいただきますが、メルマガ登録等はしていないので、どんなメール営業がなされているのか知らないのですが、今日び一番顧客にリーチできるのは、HTMLメールだと思います。そこから動画やウェブサイトのより詳しい情報に誘導する。これであれば、セグメント毎に違う情報を提供することも可能です。
これだけインターネットの時代になっても、日本におけるクラシック音楽のコンサートの集客は、チラシとぶらあぼ(+新聞広告)がほとんどで、その他は補完的役割という状況から変わっていないように思われます。メールアドレスを集めるのは大変だと思いますが、どこかでアクションを起こして、インターネットの時代を生かした集客に変える時期なのではないでしょうか。コストダウンにもなると思います。
(2010.8.5)