来シーズンのサンフランシスコ交響楽団はMTT/SFSの20年目&MTT70歳!

2月24日(現地時間)サンフランシスコ交響楽団の2014-15シーズンのプログラムが発表されました。

ここ2年ほど静かだったサンフランシスコ交響楽団。まさかこのままが続くなんてことはないよね?と思っていましたが、来シーズンはまたいろんなチャレンジを見せてくれるようです。ティルソン・トーマスが音楽監督に就任して20年目、そしてMTTが遂に70歳!の節目の年ですから。

今MTTが30-40台だったときの映像を見ると、あれがこうなるとは想像もつかないくらい人相が違いますが、途中であさってに行かずに今日を迎えられて、本当におめでとうとしか言えません。最近のモットーはAFAP(as few as possible=しゃべりすぎない)らしいのですが、これからも懲りない態度で突き詰めた音楽を披露してくれることを大いに期待しています。

来シーズンのMTT/SFSコンビの目玉は

  • 就任一年目のとき同様に、ほぼ毎回のコンサートでアメリカ作品を演奏する。ジョン・アダムズ、メイソン・ベイツの録音も続く。
  • 3年目となるベートーヴェンのフェスティバル。ミサ・ソレムニスはインスタレーション、映像とのコラボ(LAフィルとの共同委嘱)、フィデリオ演奏会形式、1808年のマラソン・コンサートの再現(4時間かけて8曲を連続演奏する)。
  • MTTの70歳祝いのコンサートでは、エマニュエル・アックス、ジェレミー・デンク、ユジャ・ワンなど仲間のピアニスト6人によるリストのヘクサメロン他を演奏。
  • ツアーはアメリカ国内でマイアミ(MTTのホームグラウンド)公演あり。

新しい実験シリーズ

SOUNDBOXという新しいシリーズが始まります。デイビスホールのリハーサル室をコンサート会場にしつらえ、様々なアーティスト、ミュージシャンが参加して、インタラクティブな音楽体験をしようという企画。夜9時スタートで、バー・コーナーを設ける。Meyer Constellationサウンド・システムを採用(どう聴こえるのか楽しみ)。

最近のサンフランシスコ交響楽団の大きな課題は、サンフランシスコに本社を構えるIT企業などが増えたことで、街に続々と集まっている高学歴・高収入でクリエイティブな職業に就く若い世代に、いかに魅力を感じてコンサートに来てもらうかということ。

この試みはこれらの人々へ向けたものであると同時に、議論を続けてきた、クラシック音楽のコンサート会場の可能性を探る取り組みの一環でもあります。

***
来シーズンは、これを逃したら二度とチャンスがないかもしれないコンサートがいくつかありますね。楽しみです。

詳しくはプレスリリース

(2014.2.25)