本気で商売していたリセールストア
サンフランシスコ交響楽団を支えているボランティア活動とはどういうものかを知るために、「Repeat Performance」というシンフォニーのリセールストアにおじゃましました。リセールストアとは、日本でいうところのリサイクルショップです。
場所はフィルモアストリートという高級住宅街にあり、周りはおしゃれなブティック、雑貨店、カフェなどが並んでいます。お話を伺ったのは、ストアマネジャーのデルッチ氏とボランティアの方。
お店はよくあるリサイクルショップという感じで、特におしゃれでもハイセンスでもないです。普通の店とちょっと違うのは、あちこちに「MUSIC DIRECTOR MICHAEL TILSON THOMAS」表示つきのサンフランシスコシンフォニーのフラッグなどが飾ってあることでしょうか。品揃えは、本、衣類、食器やインテリアグッズなど。
何に一番驚いたかというと、お客さんがひっきりなしにやって来ていて、実際に買っている人がいたこと。このお店は売上げがすべてシンフォニーの活動に充当されるしくみなのですが、私はお金持ちのマダムが優雅にお店番をしていて、まあ売れれば足しになるくらいの位置づけなのかと予想していたのですが、大外れ。男性ボランティアがばりばり商売していました。
店舗はシンフォニーで借りていて、シンフォニーに雇用されているストアマネジャーとボランティアスタッフが組みになって運営しているとのこと。ボランティアは50歳以上の方がほとんど、男女それぞれで、3人単位で勤務時間をシェアするシフトを組んでいるそうです。
お客さんは近所の人とシンフォニーを応援している人の両方おり、購買の動機もシンフォニーを応援するためという人もいるし、単純に安いから買うという人もいるそう。商品はお客さんが持ってきてくれることもあるし、シンフォニーの支援組織である地区毎のシンフォニーリーグで集めたりもしているとのこと。
お店の年間売上げは、日本円でおよそ24百万円くらいだそうです。リサイクルショップでこの数字はすごいと思いました。毎年シンフォニーの支援者のスーパーお金持ちが拠出する、シャネルクラスのブランドの洋服を集めたフェアをやったりしているそう(非常に頭がいい)なので、その貢献が大きいのかなと思います。
シンフォニーが店舗とマネジャーを用意して、それにボランティアを組み合わせているという組織がしっかりしていたことと、資金調達手段の一つとして本気で商売していたということに、もう驚きでした。
(2007.6.24)