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ボランティアは男性だった

今回サンフランシスコ交響楽団のボランティア活動を取材した私にとって印象的だったのは、男性ボランティアの方たちです。

まずリセールストアでお話を伺った方。20年以上もこのお店でボランティアをしているという、70歳をゆうに超えていると思われる、教師をしていたという方でした。音楽が好きで、多くのボランティアの中からシンフォニーを選んだそうです。今は毎週2日、朝のシフトで来ていて、家に面倒を見なければならないご家族がいらしたり、ご自身も足が少し不自由なのですが、それでも来ているとのこと。サンフランシスコ交響楽団については、音楽もティルソン・トーマスの音楽的解釈も支持しているとおっしゃっていました。

サンフランシスコ交響楽団のボランティアとして働くことに満足していますか?という質問に対して、「もちろん、生活の一部だから」というお答えが返ってきました。

次は、デイビスシンフォニーホールの案内係の方たち。ホールに入ると、タキシードに蝶ネクタイをビシッと着こなした初老のジェントルマンが何人もいて、席の案内などをしてくれるのですが、この方たちがボランティアなのです。

私はチケットのことでお世話になった案内係の方がいたのですが、別の日にその方はお客として来ていました。ボランティアは、人的資源としても顧客としても大きな存在なのです。

日本でボランティアというと、女性と若者中心というイメージがあって、年配男性のボランティアはコンサルタント的職種が多いように私は思っていたので、シンフォニーのボランティアの方たちは新鮮でした。音楽好きのジェントルマンをボランティアとして組織化してしまうサンフランシスコ交響楽団と、その方たちの素敵な姿にパワーを感じました。

(2007.6.25)

サンフランシスコ交響楽団の顧客志向とは?