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ティルソン・トーマスはサンフランシスコにいつまでいるのか?
ティルソン・トーマスがいなくなったらサンフランシスコ交響楽団はどうするのか?というのは、サンフランシスコのメディアでも度々問題提起される話題でした。
しかしこの話は、KEEPING SCOREプロジェクトが継続中であること、2011年の創立100周年があることから、現在下火になっています。
もっとも、サンフランシスコ交響楽団はゴーイング・コンサーンとしてしっかりしているし、社会に組み込まれた存在だから、ティルソン・トーマスがいなくなっても、それなりに大丈夫なのではと思いますが。
それは置いておいて、ティルソン・トーマスが自身のキャリアをどう考えるのか、非常に興味深いですが、次のようなことは言えると思います。
- サンフランシスコ交響楽団との信頼関係と同レベルのものをもう一度他で作るのは容易ではない。
- 50歳からの10年と60歳を過ぎた10年では、新しいものをつくるエネルギーのパワーが違う。
- KEEPING SCOREのようなチャンスはおそらく一生に一度しかない。
- サンフランシスコほどリベラルでチャレンジできる土地柄は、聴衆の感覚と資金集めの2点においてない。
トム・ピーターズも自らを振り返り、サンフランシスコにいたから自由にいろいろできたと語っていましたし、スティーブ・ジョブズだってあの発想が自由なイメージは、東海岸から発信していたら、いまいちサマにならなかったのでは、と思うわけです。MTTもサンフランシスコだからこそできたのでしょう。
ティルソン・トーマスが60歳祝いのコンサートでスピーチしたとき、サンフランシスコ交響楽団との今を築けたことに話が及んだときに感極まって言葉に詰まったそうです。
彼の「ご無体な」アイディア実現のために、付き合ってくれたオーケストラのミュージシャン、資金を集めて営業してくれたマネジメント、支持してくれた地元の人たち。ティルソン・トーマスは彼らにいくら感謝してもしきれないくらいの思いなのではと思います。