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ティルソン・トーマスのTEDトークを見てみよう

2012年2月28日カリフォルニアのロングビーチで行われた、TED2012におけるティルソン・トーマスのトークがウェブにアップされました。

映像を見た私の第一印象は、

おおー、非常に“らしい”けれど、これ、ついてこれない人が出るんじゃないの?

というもの。一分の隙もなく練られ、完璧に準備されています(MTTの音楽のよう)。持ち時間の18分内で言いたいことを伝えるべく、とても凝縮されたものをめいっぱい詰め込んである(これもよく見られる傾向)。

両親の写真は、ティルソン・トーマスの本“Viva Voce”にも掲載されていたものですが、拡大して見ると、MTTはお母さんにそっくりであるとか、お父さんの絵がふるっていて、クリエイティブな人だったということがわかりました。

MTTはどんなファッションで登場するかも熟慮したのでしょうが、ニュー・ワールド・センターのベストと同じ色のまんまるメガネ。サンフランシスコ・シンフォニーのスタジャンとどっちにするか悩んだ末だったのだろうかとか、同じ型で微妙に色やデザインの違うメガネをいくつ持っているのだろうかとか、(私は)おかしい。

トークへの評価を見ると、“啓発された”というのが一番多く、順当な反応だと思います。ただやはり“わかりづらかった”も少しありました。多くの人は、きれいな音楽とか、エキサイティングな演奏等の座標しかクラシック音楽に持ち合わせていないでしょうから、MTTの話は若干難易度が高い。もう少し時間があり、音楽の例をもっと出せたらより理解しやすかったのではないかと思います。

MTTにはこれからも持論をひっさげ、どこまでも“MTT”でぶっちぎっていただきたいです。

(余談)5月5日のニュー・ワールド・シンフォニーのマラ9のコンサートは、ウォールキャストに1800人も聴衆が来たそう。本当にウォールキャストの設備をつくって良かった。無料だったら毎週行くという人も相当数いるでしょうし、興味を持っていなかったけれど、たまたま聴いて興味を持つに至る人もいるだろうし。オーケストラへの親近感含め、リーチの射程が全然違う。MTT執念&ど根性の成果。
レビュー

(2012.5.8)