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ジェームズ・ガフィガンが祝サンフランシスコ交響楽団卒業

サンフランシスコ交響楽団のアソシエート・コンダクターであるジェームズ・ガフィガンが、4月のコンサートで3年間の修業を終え、サンフランシスコ交響楽団をめでたく卒業。新たな飛躍を目指します。→地元紙インタビュー

以前にも書きましたが、サンフランシスコ交響楽団には、アソシエート・コンダクターとレジデント・コンダクターという若手指揮者のポストがあり、ティルソン・トーマスの下で様々な経験を積んで巣立っていくというシステムになっています。

ガフィガンは、サンフランシスコ交響楽団の前はクリーブランド管弦楽団でも同様のポストを経験した29歳の有望株。既にウィーン国立歌劇場やグラインドボーン音楽祭のツアーへの出演が決まっており、今後はオペラやヨーロッパでの経験を積みながら、アメリカのオーケストラの音楽監督とヨーロッパでの常任ポストを狙っていくとのこと(現在複数の話が来ているそう)。

サンフランシスコ交響楽団での経験で得たものは?という質問に、“ホット”で世界が動向に注目しているオーケストラで経験を積め、非常に得るものが大きかったと答えていました。ティルソン・トーマスは映画監督のような人で、俳優から最高のものを引き出すために何をすべきか、何を言うべきかを正確に把握していると評していました。1日でいいから、彼のイマジネーションがあったらと思うそうです。

やはり今、サンフランシスコ交響楽団での経験は、大きなウリであり、買いが入るのだと思います。なぜなら、昔からの名門オーケストラは、従来からの路線の延長線上で音楽の追求やら集客をやっているのに対して、サンフランシスコ交響楽団の音楽と活動は、価値基準そのものが違うところから出発している。オーケストラをとりまく環境が時代とともに変化して、どこも突破口を探している中、実際に違うパラダイムに身を置いてみた人というのは極々希少であり、引く手あまたで当然なのではないでしょうか。

このあたりを考えるにあったては、「イノベーションのジレンマ」で言っていることが、そのままではないけれど参考になると思います。

だから日本で指揮者になる勉強をしている若い人にも、この際MTTの運転手でもプードルのお世話係でも何でもいいからサンフランシスコ交響楽団を体験すべし、というくらいおすすめしたい。梅田望夫さんじゃないけれど、

若者よ、ベイエリアに行け!

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(2009.3.27)