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シューベルト、ベルクとウィーンのリリシズム
ニュー・ワールド交響楽団では、In-Context Festivalと呼ばれるフェスティバルを行なっています。これは、毎回特定のテーマと芸術の関係を探るというもので、今年は4/25-27の3日間にわたって、「シューベルト、ベルクとウィーンのリリシズム」がテーマ。
ティルソン・トーマスのプログラミング例としてご紹介します。
プログラム
4/25
Berg: Lyric Suite
Schubert: Mass No. 6
4/26
Schubert: Symphony No. 8, "Unfinished"
Haydn: Sinfonia concertante
Berg: Three Pieces for Orchestra
4/27
Berg: Suite from Lulu
Schubert: Symphony No. 9, "The Great"
4/26は、毎年ニュー・ワールド交響楽団を指導に来ているウィーン・フィルのメンバーとの共演です。
大学とのコラボ企画
フェスティバルは、フロリダ国際大学のThe Wolfsonianというミュージアムと連動企画。ミュージアムでは、ウィーンのセセッションから第一次世界大戦後のモダニズムまでの建築とアートをテーマにした展示が行なわれます。
コンサートに先立ち、4/22には、大学の教授とミュージアムのライブラリアンによる、1880年から1930年のウィーンの歴史背景や芸術の変容について、展示品の映像を交えたプレゼンテーションが行なわれます(無料)。
映画
さらに4/24には、「アルバン・ベルクの知られざる人生」という映画が上映されます(無料)。
この企画は、ソプラノ歌手の方がフィーチャーするもので、ベルクの人生と芸術について、華やかな表面に隠れた暗部に迫ろうというものです。
ホワイエでの展示
コンサート会場では、シューベルトとベルクの各種資料を展示、コンサート前や休憩時間に自由に見ることができます。
これら自筆譜、手紙、スケッチ、写真などは、今や最新技術により、本物そっくりにコピーが作れるようなのですが、関係機関の協力でそれらを展示するそうです。
プレコンサート・レクチャー
一連の企画の真打は、各コンサート前のレクチャーです。ニュー・ワールド交響楽団が誇るInternet2という通常のブロードバンドの2倍高速な回線でウィーンと結び、ウィーンのモダニズムを専門とする音楽学者が登場。
ウィーンから、各プログラムについて、深く掘り下げた話をします。
地元の合唱団が出演
ニュー・ワールド交響楽団は、地元に根ざした活動を展開しているので、合唱などは地元のアマチュアが参加します。
今回もマイアミ大学の合唱団とSeraphic Fire(消防署の合唱団?)がMTTと共演。楽しそう。
【追記】Seraphic Fireはプロの合唱団で、消防署の方々ではないそうです。
マイアミに行って知りました(2008.5.16)
ティルソン・トーマスのプログラミング
以上、なぜ皆がティルソン・トーマスのプログラミングに言及するのかをおわかりいただけたのではないでしょうか。
ポイントは、演奏家と最新の研究が連携しているということ。研究成果をふまえて、演奏がある。そして研究者もこうした場で、成果を還元できるということだと思います。
このシューベルト〜ベルクというテーマは、来シーズンにサンフランシスコ交響楽団のフェスティバルでも取り上げます。
(2008.4.8)