トップ>here
サンフランシスコ交響楽団の2008-2009シーズンを総括する
サンフランシスコ交響楽団の2008-2009シーズンも終わり(正確には、あと一つセミステージ形式の「Iolanthe」が残っている。この舞台、当初MTTが振る予定であったが、シーズン中のイレギュラー仕事により、彼が思うところまで準備できないということで、さっさと降板した。彼は優先順位づけと取捨選択がシビア)。
今シーズン、私は全部で15回のコンサートを聴きに行きましたが、バーンスタイン・ガラから始まり、マーラーの千人、グバイドゥーリナ・ウィーク、シューベルト/ベルクまで、本当にいろいろ聴かせてもらい満足です。
*サンフランシスコ交響楽団は、そのプログラミングに対し今シーズンのASCAPアワードを受賞しました。
→写真は、サンフランシスコのショッピング・センター(Westfield)。夏のコンサート・シリーズのプロモーション(ファイナル・ファンタジーやります!)。
彼らもプログラム・ノートで今シーズンを振り返っていましたが、サンフランシスコ交響楽団としても大きな成果を収めることができたと評価しているようです。
私が2006年に彼らを聴き始めた頃と比較しても、当時は首席のいないパートがいくつもあって何じゃこりゃ(ティルソン・トーマスがOKを出さなかったから)でしたが、現在はそのポストも決まり、合唱指揮者の Rognar Bohlin(彼は合唱やっている人で知らない人はいないという Eric Ericson に師事したスウェーデンの指揮者)も新たに向かえ、組織としても強化されたと思います。
また彼らは前に弦楽セクションを拡充すると発表していましたが、クレモナ・ファンドを通じて、弦楽器を調達したそう。確かに音が違うと感じます。
(Second Century Chairが調達した楽器のポストらしいのですが、数えてみると、ファースト・ヴァイオリン1、セカンド・ヴァイオリン1、ヴィオラ1、チェロ3。これで全部なのかは不明)
まさに着々と階段を昇っている感があります(途中ですっとこどっこいなことも多々起きる)。
サンフランシスコ交響楽団を体験して痛感することは、何度も書いていますが、オーケストラ・コンサートは1回毎にバラバラなものではなく、連続性がある体験の積み重ねであるということ。音楽監督がグランドデザインに基づいてきっちりプランニングした公演は、聴き手の体験も蓄積していくのです。蓄積していくのか、それとも消費で終わるのか?それが何年も続いたとき、両者の聴衆には恐ろしいほどの差が生じているのではないかと思います。
最後に
客演指揮者のコンサートで印象に残ったもの
KDFCで放送されて聴いた中で印象に残ったのは、
- Fabio Luisi
- Schmidt: Symphony No.4
完成度も高かったしスリルがありました。
- Schmidt: Symphony No.4
- David Robertson
- Tchaikovsky: Piano Concerto No.2
Stephen Hough, piano
Houghは類まれなピアニストだと思います。
- Tchaikovsky: Piano Concerto No.2
- James Conlon
- Shostakovich: Suite from Lady Macbeth of the Mtsensk District (arr.Conlon)
これはSFSの長所がよく出ていました。
- Shostakovich: Suite from Lady Macbeth of the Mtsensk District (arr.Conlon)
- Vladimir Ashkenazy
- Walton: Belshazzar’s Feast
このハッスルを東京で見せてほしかった!
- Walton: Belshazzar’s Feast
- Bernard Labadie
- Mozart: Serenade No.10 Gran Partita
ラバディは本当に素晴らしい。SFSでこんな演奏が聴けるとは。
- Mozart: Serenade No.10 Gran Partita
(2009.6.11)