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サンフランシスコ交響楽団がトップ・オーケストラをめざす決意をしてから30年かかった話
今週、楽団の創立100周年にあたる2011-2012シーズンの記念プログラムを発表したサンフランシスコ交響楽団(MTTはプレス・カンファレンスのとき咽頭炎でいつもの口八丁が出なかったらしい)。
ベイエリアのクラシック音楽情報を提供するサンフランシスコ・クラシカル・ボイスでは、サンフランシスコ交響楽団がトップ・オーケストラになる決意をしてから今日に至るまで30年かかったこと。そしてそれはオーケストラに関わったボード、アドミニストレーション、ミュージシャン、支援者らの思いと尽力によることが紹介されています。
いろんなエピソードが紹介されていますが、まだイマイチへっぽこな演奏をしていた頃、シカゴ交響楽団やベルリン・フィルなどのトップ・オーケストラがサンフランシスコにやってくると、当時のエグゼクティブ・ディレクター(管理部門トップ)が楽団員にチケットを渡して聴きに行かせ、彼我の違いを知ることで鼓舞していたという話が印象深いです。
また、ティルソン・トーマスを音楽監督にするときには、ボードもオーケストラ団員もMTT待望派と「アイツだけはやめてくれ」派の真っ二つに分かれたとか。
記事を読んでわかるのは、トップ・オーケストラを目指すと決めて、具体的な施策を打って行ったからトップ・オーケストラになったということ。これは私たちが日本のオーケストラを考えるときに、あたりまえだけど厳然と突きつけられる真実なのだと思います。
今後サンフランシスコ交響楽団に関し、100周年に向けてこの手の振り返り記事が方々からいろいろ出てくると思いますが、第一弾として非常によくまとまっており、興味深い記事です。
記事はこちら
Renaissance Symphony: The San Francisco Symphony’s Rise to Greatness
by Steven Winn
December 8, 2010
(2010.12.10)