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サンフランシスコ・バレエ「白鳥の湖」の新振付で盛り上がる
今サンフランシスコ・バレエのシーズンということで、出かけました。
サンフランシスコのウォー・メモリアル・オペラハウスは、オペラとバレエが使用しているため、オペラとバレエのシーズンに分かれているのです。ほんの20数年前までは、シンフォニーも専用ホールがなく、このオペラハウスを交替で使っていました。
演目はチャイコフスキーの「白鳥の湖」。オール・ニュー・プロダクションで今シーズンの目玉です。
出かけたのは土曜日で、昼夜2公演あったのですが大入り満員。日本だとバレエは女性客が多く、明らかにバレエやってそうな人とか、お団子頭の女の子がお母さんに連れられてみたいなパターンが多いけれど、こちらは老若男女幅広いです。オペラの観客を若干若くした感じ。
バレエはバレエで地元の応援がすごい。
今回私はバルコニー席だったのですが、へえと思ったのは、バルコニー席の正面にプロジェクションで舞台が映し出されたこと。上の階の席でオペラやバレエを観ると舞台の奥が見えないですが、このプロジェクションがあるおかげで奥で何やっているかわかりました。
プロローグでオデットが白鳥にされてしまうところを映像と組み合わせて、白鳥のシルエットが現れ驚かせるという場面があったのですが、そこがよくわかりました。
隣の席のおばあさんが解説してくれたところによると、オペラのときはそこに字幕が出るのだけれど、明るいし文字が切り替わるのがチラチラうるさいとのこと。このおばあさん、バークレーの大学に入学したのをきっかけに60年近くベイエリアに住んでいるそうなのですが、一人で来ていて、しかもよく来るそうでものすごく詳しい。80歳近くになって一人でバレエにばんばん来る人、日本では見かけないかもしれないと思いました。同じような一人で来ている人はいっぱいいて、周りの席の人とあーだこーだ盛り上がっているので平気なのです。
プロダクションは素晴らしかったです。舞台セットはシンプルで、大きな月が鍵なのですが印象的でした。
踊りはソロも群舞も見事。特に上から見ていたので白鳥たちが素晴らしかった。今までで「白鳥の湖」を観たのは5回くらいなのですが、本当に白鳥のようだと思ったのは初めてでした。
音楽はサンフランシスコ・バレエのオーケストラ。無難にまとめている印象でした。ただたくさんあるヴァイオリン・ソロの音程が怪しかった。踊りの足ひっぱるんじゃないかと冷や冷やでした。
サンフランシスコは、シンフォニー、オペラ、バレエ3つともが盛況。街のパワーを感じました。
キャスト
Choreographer: Helgi Tomasson(芸術監督)
Odetto-Odile: Tina LeBlanc
Prince Siegfried: Joan Boada
Von Rothbart: Damian Smith
(2009.2.28)