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サンフランシスコ・オペラの「ポーギーとベス」初日
サンフランシスコ・オペラのガーシュウィン「ポーギーとベス」。この作品を舞台で観たことがなかったので、初日に張り切って出かけました。
駅から劇場まで歩いていたら、霧が降ってきたのですが、すごく細かい水滴で、周り見たら誰も傘をさそうとしていませんでした。写真の背景が真っ白なのが霧。
劇場に着くと、ホワイエにピアノがあり、ガーシュウィンのピアノ曲が演奏されていました。
今までサンフランシスコ・オペラを観たのは、「セビリヤの理髪師」「ドン・ジョヴァンニ」「ばらの騎士」といういろんなところで何度も観た作品。したがって、比較のセンサーが働き、あれこれ思うところがあったのですが、今回は比較センサーなし。
したがって、純粋に楽しめました。ソリストも合唱もオーケストラも文句なく素晴らしかったです。
演出は、舞台の幕が上がるとキャストが静止していて絵画のようという手法を何度か使っていました。基本的にビンボー長屋(キャットフィッシュ・ロウ)が舞台なので、オーソドックスなセット。
ラストシーンでポーギーがベスを追ってニューヨークに向かうのですが、ニューヨーク方向に明るい光が満ちている。ここで暗い要素を全く盛り込まないところがアメリカなのだ(一般にヨーロッパのオペラ演出だと、必ず複数の見方・考え方ができて、それは表裏一体でもあることを見せることが多いように思う。ポーギーとべスの場合はどうなのだろう?)。
プログラムのジェネラル・ディレクターのメッセージには、今のオバマ大統領の時代に入ったタイミングでこの作品を上演することの意義が書いてありました。
この作品は、ソリストも活躍しますが、やはり群衆の動きと合唱がポイントなのだと思います。非常にチームワークの力を感じさせる舞台で、満員のお客さんも沸いていました。
【キャスト】
指揮:John DeMain
演出:Francesca Zambello
ポーギー:Eric Owens
ベス:Laquita Mitchell
クラウン:Lester Lynch
(2009.6.9)