マイケル・ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団
コープランド:アパラチアの春/ビリー・ザ・キッド/ロデオ
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団らしさに溢れた一枚。
収録は、「ビリー・ザ・キッド」「アパラチアの春」「ロデオ」のバレエ曲3曲。リズムの躍動感と生き生きした音楽という、彼らのよさが全開です。もちろん極限まで練り上げた高精度アンサンブルは健在。彼らの音楽を聴いたことがないという方に、ぜひこの楽しさを知っていただきたいです。
コープランドの音楽は、アメリカのランドスケープを描いていると語っていたティルソン・トーマス。この演奏はどれも、古きよきアメリカンカントリーの風景が浮かんできます。
そして、このCDを聴いてコープランドに興味を持った方には、ぜひKEEPING SCOREのコープランド編のDVDもご覧いただきたい。なぜこういう音楽なのかということがよく理解できます。
この中でも「ビリー・ザ・キッド」を演奏しているシーンがあるのですが、私はこのシーンが大好きです。MTTもオーケストラも本当に楽しそうに演奏していて、サンフランシスコ交響楽団を象徴しているシーンだと思います。
そして私は、このDVDを何度も観たおかげで、CDを聴いても「アパラチアの春」のラスト、「シンプル・ギフト」のメロディーを高らかに歌い上げるところを聴くと、DVDで叫んでいた(?)MTTと映し出されていたコープランドの姿がセットで自動的によみがえり、パブロフの犬のように泣けるのでした。