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コンサートホールのホワイエでタンゴ教室?
7月のサンフランシスコ交響楽団は、Summer & the Symphony と題し、シーズン中よりもカジュアルでバラエティに富んだプログラムのシリーズを提供しています。
今年の企画で「おっ」と思ったのは、コンサート前にホワイエを使って、お客さんが参加するイベント。
例えば、ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」を演奏するコンサートでは、タンゴ。
地元でタンゴの教育活動をしているグループから先生、ダンサー、ミュージシャンがやって来て、コンサート1時間前からお客さんが、指導を受けつつ皆でミロンガを踊ろうというもの(7月28日)。
また、ABBAのヒット曲を歌うコンサートでは、ホワイエにピアノを置いて、同じくコンサート1時間前から、お客さん皆でピアノに合わせてABBAの曲を歌おうと呼びかけ(7月16日)。
観客が聴くだけではなく、参加する方向性というのは、サンフランシスコ交響楽団がいろいろと試みていることですが、私は彼らのデイビスホールというのが、非常にアドバンテージになっていると思います。
通りに面して全面がガラス張りのホワイエは、明るくてオープン、そしてお客さんの動線に回遊性がある。このオープンな回遊性こそが、サンフランシスコ交響楽団がホールを活かすことができている大きな理由だと私は思っています。
ホールに行くたびに、この空間を設計した人はすごいと思いますし(楽団のロゴもホールのその部分をデザインしたものになっている)、とてもサンフランシスコ的な発想だと感じます。
(2011.7.22)