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ケーブルテレビの新シリーズ「マスタークラス」にMTTが登場
アメリカの有料ケーブルテレビ・チャンネル HBO の新シリーズ「マスタークラス」に、マイケル・ティルソン・トーマスが出演します。
これは各芸術分野において、厳しい選考をくぐり抜けた才能ある高校生(3名程度)に、自分のめざす道を極めた先人と交流、指導を受ける機会を提供する教育プログラムの過程を追った番組。
The National Foundation for Advancement in the Arts が行っている YoungArts というプログラムの一環で、毎年7000人もの応募者の中から才能ある高校生を選んできたのですが、今回これをテレビ・ドキュメンタリーにして、視聴者にも公開するもの。
全9回のシリーズで、高校生にとっていろいろな発見や考える機会であると共に、メンター側にも気づきがある点に焦点を当てて制作しているもよう。
予告編
ティルソン・トーマスの他に登場する先人たちは、
- Placido Domingo(オペラ歌手)
- Liv Ullman(女優)
- Edward Albee(劇作家)
- Jacques d’Amboise(ダンサー)
- Olafur Eliasson(ビジュアル・アーティスト)
- Frank Gehry(建築家)
- Bill T. Jones(振付家)
- Julian Schnabel(アーティスト/映像作家)
MTTの回には、カーチス音楽院在籍者などが登場するみたいですが、間近で交流などしようものなら、MTTの誰も思いもつかないようなイマジネーションとアイディアの世界(とあのテンション)にあてられて、若者たちが押し黙ってしまうのではないかと興味津々。ぜひMTTもうなるような奇想天外な若者に出てきてほしいものです(追記:予告編ではなごやかな雰囲気)。
こうした番組からもわかるように、アメリカはほんの一握りのずば抜けて才能ある人に、よってたかって手を差しのべて、才能を開花させようとする社会。これはラン・ランの自伝なんかを読んでも顕著に書いてあります。
そして、そうやって開花した極一握りの傑出した人から、必ず社会に還元があるのもアメリカ。この還元力について、日本では寄付くらいしか注目されていませんが、芸術に限らず各分野において、成果面でも行動でも大量に行われています。そしてこれが社会を上方向に引っ張る力として働いている。
日本ももっとこの還元のメリットに目を向ければ、傑出した人は足を引っ張るのではなく応援した方がよい、という価値判断が働いて、社会の空気が変わるのではないでしょうか。
さて、ドキュメンタリーの放送は、アメリカのケーブルテレビの仕組みがよくわからないのですが、MTTの回は6月18日の予定。
「マスタークラス」のウェブサイト
このニュースを伝えている記事 その1 その2
(2010.4.16)