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グラモフォンのマーラー特集がネットで読める
イギリスの音楽誌 Gramophone のマーラー・イヤー記念の特集
Mahler by the world’s greatest conductors
~The conductor’s eye view of Mahler’s symphonic works~
がウェブサイトで読めるようになりました。私はこの号を買いそびれたので、ウェブで読んだのですが、面白い。11人の指揮者それぞれの言うことが、その人の音楽から受け取るものそのもので
“らしい”
のです。そして登場する全ての指揮者が心血を注いでマーラーに取り組んでいるということも伝わってくるし、全員がとても真摯。
- 各曲の担当
1番:マッケラス
2番:ヤンソンス
3番:マゼール
4番:ジンマン
5番:ラトル
6番:エッシェンバッハ
7番:ゲルギエフ
8番:ティルソン・トーマス
大地の歌:ナガノ
9番:サロネン(フィルハーモニア管とのリリース予定がある)
10番:シャイー
特に印象に残ったのは、ゲルギエフか?結構彼を見直したかもしれない(7番の構築に苦労した話)。他はエッシェンバッハ(楽章の演奏順、3つ目のハンマーの音についての見解)、ナガノ(交響曲の形式、歌詞との関係)、サロネン(作曲家目線、4楽章の構成について)、シャイー(クック版と他の版についての見解)の話が面白い。
ティルソン・トーマスはどうかと言うと、曲の解説を基本としながら、若干の翻訳を必要とするMTT語をかませつつ自説を開陳。CDを聴いた人には納得の内容となっています。
11人がそれぞれなのですが、共通している部分もあり、全体を見ると、マーラー演奏の過去の蓄積の上に今があること、現代のマーラー演奏のトレンドが見えてくるような特集に仕上がっていると思います。
(2010.5.10)