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オーケストラ自主制作のメリット

サンフランシスコ交響楽団には、SFSメディアという自主レーベルがあります。今はロンドン響やコンセルトヘボウ、そしてシカゴ響と、いろいろなオーケストラが自主レーベルでCDを制作しているので、珍しくも何ともありませんが、サンフランシスコ交響楽団はCDだけでなく、映像作品も自主制作しており、私はそのことの効果が意外に大きいと見ています。

どうしてそう思うかというと、彼らの海外公演。今年彼らは多くのヨーロッパの音楽祭に出演しますが、例えばエディンバラ音楽祭のサイトでは、他にも参加オーケストラがいくつもある中で、サンフランシスコ交響楽団だけが自己紹介のビデオクリップを見られるようになっています。

またプロムスでは、KEEPING SCOREのコープランド編のドキュメンタリーの上映も予定されています。プロムスは本当に多くのオーケストラが参加しますが、このような企画があるのはサンフランシスコ交響楽団だけです。

なぜこのようなことが出来るかというと、彼らは映像作品を自主制作していて著作権を持っている。だから作ったものを自分たちの判断で自由に使えるのです。

例えば、日本のテレビでオーケストラに関する番組を作っても、著作権はテレビ局が持っている。だから後からオーケストラが自由に二次利用できたりはしません。サンフランシスコ交響楽団は、その点マーラーの録音でも映像でも作ったものを最大限利用しています。

自主制作したドキュメンタリーが、まず全米にテレビ放映され、DVD化される。次にヨーロッパや中国にも放映権を販売し、そして今またオーケストラの活動紹介として海外公演でも利用される。

サンフランシスコ交響楽団のビジネスセンスが光っていると思います。

(2007.8.3)

プロモーションビデオがあるオーケストラ