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オーケストラの寄付集めは最初の100人から始まる
2011-2012シーズンに創立100周年を迎えるサンフランシスコ交響楽団。シーズン・オープニングの9月7日には、ファンドレイズのためのガラ・ディナーが開催されるのですが、それに向けて主要なサポーターを集めたソワレが開かれました。
私はこれを紹介する記事を読んで、なるほどねえと思いました。なぜなら、
核となるサポーター100人の士気を上げる決起集会を開催し、その100人がそれぞれの持ち場に散って、更なる支援を引っ張ってくる仕組みになっていたから。
最初の100人の強力なコミットメントが波及していくということなのでしょう。
今年のシーズン・オープニングは、過去にシンフォニーのプレジデントを務めた方(女性)と、レーガン政権で国務長官だったシュルツ氏の夫人の二人がリーダー。9月7日のディナーは、チケットが5000ドル~10万ドルだそうですが、すぐに完売したそう。
カリフォルニア州は失業率が12%もあり、サンフランシスコ市も慢性的な財政危機という中ですから、彼らの気合いがわかるというもの。
ソワレは会場となったペントハウスのしつらえもおしゃれ。100周年をデコレーションしたお花とケーキも気が利いています。会場はシュルツ夫妻が提供。サンフランシスコ交響楽団では、昨年も同様の会を開いていましたが、昨年はMTTが自宅とお宝コレクション(若い頃から交流してきたアーティストの記念の品を取っておいてある)を提供していました。
今年ティルソン・トーマスは、当初出席が予定されていなかったものの会にサプライズで登場し、音楽教育の重要性について一席ぶったそう(ファンドレイズは、シンフォニーが提供している教育プログラムのため、ということになっている)。
この彼らの“核となる最初の100人”が団結するというやり方は、物事の本質を突いていてうまいなと思いますが、私はこの話のポイントは、おそらくサポーター達がおつきあいでシンフォニーを支援しているのではない、
今これを応援せずして、他に何を応援するのか?
と心の底から思っているであろう点にあると思うのでした。そしてそう思わせるのは、
音楽の力
以外の何ものでもない。サンフランシスコ交響楽団は、先週のMTTが指揮者になって初めて振ったミサ・ソレムニスで2010-2011シーズンが終了。いよいよ100周年カウントダウンに入って行きます。
(2011.6.27)