ウィーン公演2日目
1日目の公演では、自分たちのフィールドを思い切り展開した彼ら。2日目(5/22)は、マーラーとリヒャルト・シュトラウスというウィーンゆかりの作品で、サンフランシスコ交響楽団の今を聴かせるというプログラムです。
今回、一曲目は挨拶がわりのコープランドでしたが、二曲目がマーラーだったのと、ハンプソンもいたということで、一気に盛り上がりました。
彼らのマーラーの蓄積はものすごいです。なにげないフレーズひとつとってみても、重ねてきた表現の説得力があります。ティルソン・トーマスはハンプソンに対しては、すべて彼に任せていました。見たことないくらい美しい風景が浮かび上がる瞬間があります。CDをお楽しみに。
三曲目のツァラトゥストラもサンフランシスコ交響楽団の良さが出る選曲だと思います。輝かしい音と弦のアンサンブルをフルに発揮していました。
アンコールは、ローエングリンから。これは一日目もやったのですが、彼らのスピード感と金管はウィーンのお客さんにも受けていました。
最後は、ウィーンといえばワルツ。ということで、これがサンフランシスコシンフォニーのワルツだというもの(多分アメリカの作曲家の作品)を披露して終わりました。
2日目のプログラムの方が、ウィーンのお客さんにもなじみがあったようで、私の隣の年配のご夫婦もやいのやいのの大喝采。
彼らのウィーン公演、やはり2日間のプログラムの両方を聴いて、サンフランシスコシンフォニーがどういうオーケストラなのかがわかるような気がしました。
そして海外公演というのは、演奏内容うんぬんとは別に、自分たちはこういうオーケストラだということをアピールする場なのだということを強く感じました。日本にやってくる多くのオーケストラも、同じように一生懸命工夫しているのかもしれないのに無頓着だったと少し反省しました。
ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団コンビには、こういう楽しいクラシック音楽の世界があるということを世界中の人に聴かせる使命があると思うので、これからもがんばってほしいです。日本にも来て!
コンサートの内容
5/22
コープランド:交響曲第二番
マーラー:「少年の魔法の角笛」から(バリトン:トーマス・ハンプソン)
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
アンコール
ワーグナー:ローエングリンより第三幕への前奏曲
ロジャース:Carousel(アメリカンなワルツ)
プラハ公演1日目