ウィーン公演1日目
いよいよ旅の目的であるサンフランシスコ交響楽団のコンサートです(5/21)。
コンサートは、予想を超えて、「アメリカンで輝かしいサンフランシスコシンフォニーの世界へようこそ!」をぶちかましたという感じでした。
どういう客層だったかというと、観光客ナシ、社交場として来ている人たちナシ、日本人ナシという、いまだかつて私がウィーンで体験したことのない、ローカルの音楽好きが平均年齢高めで集結した場だったのです。
その中で繰り広げられる、極限まで練り上げてあって、緻密に重ねられたアンサンブル、歌い上げられる美しさ。そしてノリノリでビートのきいたリズム、輝かしくてド派手なサウンド。
ファンの私でさえ、ウィーンに着いて以来連日聴いていたのとは違う世界に来ちゃったように感じられたのですから、地元のお客さんには、インパクトがあったことでしょう。
今回、アンサンブルの精度がさらに上がっていました。ツアーに向けて準備をしたことが伺えます。他では決して聴けないアンサンブルの連続でした。
演奏内容の細かい話は割愛しますが、期待していたところも、期待以上でした。ありがとうMTT。
「冬の日の幻想」が終わったときは、客席が何かあっけにとられたような、そういう空気もあったのですが、アンコール2曲でさらにぶちかまし続け、最後は客席もなごんで、めでたしめでたし。
「楽しくなければクラシックではない」を地で行くティルソン・トーマスが、自分たちの持ち味である、生き生きとした音楽を余すところなく披露したコンサートだったと思います。そして客層も反応も見込んだ上でかましてきたティルソン・トーマスの腹の据わりようが、だてにゴールデンゲートブリッジの前で革ジャン着て立っていないというか、ふるっています。自分たちのサウンドに余程の自信がなければ、ウィーンであそこまではできないと思いました。
これでこそサンフランシスコシンフォニー!
録音していたので、どこかで聴く機会があるかもしれません。
コンサートの内容
5/21 場所:コンツェルトハウス
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「妖精の口づけ」・三楽章の交響曲
チャイコフスキー:交響曲第一番「冬の日の幻想」
アンコール
ベルリオーズ:ラコッツィマーチ
ワーグナー:ローエングリンより第三幕への前奏曲
ウィーン公演2日目