アメリカのオーケストラの財務格付け
アメリカの非営利団体の財務面についての民間格付け機関であるCharity Navigatorで、メジャーオーケストラの評価を見てみると、サンフランシスコ交響楽団がトップの評価を得ています。
オーケストラ名/格付け/財務効率/財務能力/総合評点
サンフランシスコ ☆☆☆☆/ 38.28/25.97/64.26
ニューヨーク ☆☆/29.02/16.13/45.15
シカゴ ☆☆/31.97/10.00/41.97
ボストン ☆☆☆/35.43/21.99/57.43
フィラデルフィア ☆☆☆☆/ 32.64/30.00/62.64
クリーヴランド ☆☆/32.29/15.10/47.40
ロサンゼルス ☆☆☆☆/ 33.09/28.13/61.23
*格付けは☆4つが最高、2005年の数字をもとに評価したもの。
これは、寄付をするときに健全な財務を保っている先を選びたいというニーズに応えるためのもので、専門スタッフが膨大なデータを分析し、独自の評価基準でレーティングしています。
財務効率は主に費用面に着目。財務能力の方は、事業収入の伸び率や資本効率などが勘案されています。様々なデータ、同業他団体との比較、ミッション、トップマネジメントの報酬が過大でないか等が一覧できて非常に有益。
こうした格付けなどを見ても、サンフランシスコ交響楽団が非常に経営努力をしており、またそれが評価されているということをご理解いただけると思います。
サイトでは格付けの他にも、団体個別のページで団体の活動理念が一言ずつ紹介されているのですが、各オーケストラの個性が出ていて面白い。ここでもサンフランシスコ交響楽団が打ち出しているものは、他とは違うということが見て取れます。
サンフランシスコ交響楽団
「21世紀のオーケストラというものを定義する」
ニューヨーク・フィルハーモニック
「音楽への興味と楽しさを維持・はぐくむ」
シカゴ交響楽団
「世界最高、シカゴそのもの」
ボストン交響楽団
「高い志をもって音楽の調和にささげられるもの」
フィラデルフィア管弦楽団
「コンサートホールと地域にフィラデルフィアサウンドを」
クリーヴランド管弦楽団
「すばらしいホールですばらしい音楽を」
ロサンゼルス・フィルハーモニック
「生きた音楽の発信地」
活動理念と財務格付けに相関性があるかのようです。実際の活動も見事に反映しているような。この事実は見逃せません。経営理念はあなどれない!
(2007.7.27)
地元密着型オーケストラのパブリシティ