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「ラ・ボエーム」を観る

ニュー・ワールド交響楽団以外の公演を調べていたら、オペラがありました。マイアミのオペラってどんなもん?ということで、大して期待せずに出かけました。

プッチーニの「ラ・ボエーム」

字幕は英語の他に、スペイン語が並びます。

一幕が開くと、セットはダサくもなく、アバンギャルドでもなく、ミニ・メトロポリタンオペラみたいな印象。

マルチェッロとロドルフォの場面で、ロドルフォが歌い始めたとき、私は「!」と思いました。パヴァロッティのようにきれいに抜ける声だったからです。これはひょっとして行ける?

そしてミミ登場。こちらも良く響く豊かな声。

もうそこから、ロドルフォが歌い、ミミが歌い、そして二人で歌うところまで、一気に聴かせてくれました。素晴らしかったです。二人が去って行くところも、声に余裕がないと絶叫しちゃってがっくり来るけれど、大丈夫でした。

指揮者も見た目ドゥダメルみたいなラテン系の方で、盛り上げてくれました。オーケストラも文句なし。

その後、イメルダ婦人みたいな風情のムゼッタが登場、とても芸達者です。

マルチェッロとムゼッタが個々にそれぞれの心情を歌うに二重唱のところは、ありえないくらい盛り上がった。

そして終幕、ドラマのパワーがすごかった。客席のあちこちからすすり泣きの声が上がる上がる。皆マジ泣き。

マイアミ来てボエーム観て泣くとは、夢にも思いませんでした。

ニュー・ワールド交響楽団のコンサートはもちろん素晴らしかったけれど、MTTクオリティから、出てくるもののレベルはある程度予測できました。

これに対して、フロリダ・グランドオペラは、全く未知の世界。こんなところでこんなハイレベルのオペラをやっていたとは、世界は広い。

お客さんは、英語を話す人も、スペイン語を話す人も、年配の方も若い人たちも、バラエティ豊かで、よく入っていました。始まる前に、舞台で定期会員募集のセールストーク(5公演で45ドルからある)をやっていたのが珍しかったです。

歌手は全員若手で、伸び盛りという印象を受けました。

なぜフロリダ・グランドオペラがこんなに良かったのだろうかと考えると、やはりエンターテインメント性というか、お客さんに喜んでもらおうという姿勢が一貫していたからなのかなと思いました。

Mimi:Elizabeth Caballero
Rodolfo:James Valenti
Marcello:Troy Cook
Musetta:Jill Gardner

Albert Veronesi, conductor
Nicola Bowie, Stage director

(2008.5.4)

「ジュリアス・シーザー」を観るへ続く

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