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プラハ公演2日目

昨夜の公演で既に最高潮に達した感がありましたが、公演2日目です(5/25)。

マーラーは、ホールの関係もあるのか、ウィーンの出来の方がよかったような気がしました。ウィーンで一曲目の後拍手が起こり、拍手しないでとハンプソンが言う場面がありましたが、今日はティルソン・トーマスが最初に、連続した作品であり、次の曲への間と静寂が重要だという話をしました(昨日は携帯の件もありました)。観客のマナーは、ウィーン・プラハと比べても東京の方がよいと思います。

話をした甲斐あって、最後に歌った原光は、静まりかえった中で信じられない美しさでした。お客さんも大喜びで、アンコールで最初に歌った「塔の中の囚人の歌」をもう一度演奏。

後半のツァラトゥストラも渾身の出来だったと思います。もうサンフランシスコシンフォニーの弦の響きが薄いとは言いません。金管も弦も、響きのブレンド具合までよく計算されていると思いました。

アンコールはウィーンと同じで、ローエングリンからとアメリカンなワルツ。このワルツ、ディズニーランドでメリーゴーラウンドに乗っているような曲なのですが、私はこの曲が一番彼ららしいと思いました。

2日目のプログラムは、1日目と違ってはじけられる曲ではありませんでしたが、彼らの魅力全開だったと思います。ティルソン・トーマスはプラハと相性がよいみたいで、「プラハで演奏するのは大好きです」と挨拶していました。

これで彼らの春のヨーロッパツアー4公演をすべて聴いたことになります。総括すると、やはり音楽は一期一会だということ。同じメンバーで同じ曲であっても、お客さんや場所によって音楽がひとつひとつ違うということを強く感じました。MTTの観客をなごませる術とか、オーケストラを盛り立てていく気遣いなども印象的でした。

そして何といってもサンフランシスコシンフォニーの海外公演は楽しい。プログラムもパフォーマンスもすべてに「これがサンフランシスコシンフォニー」というものがあります。サンフランシスコでの通常公演は毎週4日もあって、それで完成度を上げるには実質的に限界があります。仮に日本公演が実現したとしても、ハンプソンクラスのソリストが参加するとは考えられない。とすると、ヨーロッパ公演は狙い目です。皆さんも機会があったらぜひお出かけください。次回ヨーロッパツアーは、8月末から9月中旬です。

さて、私のウィーン・プラハの旅もこれで終わり。一人旅で何か成長するかと思いきや、人間10日くらいで変わったりはせず、MTT&SFS大絶賛状態に拍車がかかっただけのような気もしますが、ドンマイ。

MTTにお礼が言えました!