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シンシナティ交響楽団の工夫

ミュージック・ホール

シンシナティ交響楽団のコンサートが行なわれるミュージック・ホールは、北米的なとても歴史を感じさせる建物。こういうホールを体験するのは初めて。ホワイエも客席天井もシャンデリア。シンシナティ・ポップスもシンシナティ・オペラもここで活動しています。

開演前のイベント

開演1時間前にMUSIC CONVERSATIONというのが30分あり、シンフォニーのアシスタント・コンダクターのお兄さんと、ヴィオラ奏者の方が演目にちなんだフリートークをやっていました。ヴィオラの方は今シーズンで定年退職になるベテランだそうですが、先ごろウィーンやパリをはじめ、ドイツとスペインの主要都市のメジャーなホールで12公演を行なった海外ツアーについて、ミュージシャン人生で初めての経験だったとうれしそうに語っていました。まさに勢いのあるオーケストラならではの発言。

内容は、音楽的に踏み込むというよりは、常日頃思っていることなどを話す気軽なもの。お客さんは始まったときは少なかったのですが、終わり近くにはオーケストラフロアの6〜7割くらいはいた感じ。

その後、開演前に二階ホワイエで女声コーラスが何曲か披露。人垣ができていました。

お菓子屋さん

面白いと思ったのは、ホワイエにお菓子屋さんが出店を出していたこと。キオスク的なお店ではなく、ちゃんとしたショコラティエで、チョコレートの他にクッキーとかキャンディも売っていました。毎回ここで買うのを楽しみにしているお客さんがたくさんいるみたいで、とてもよく売れていました。

ASK PAAVO

もう一つ目に付いたのは、ASK PAAVOという箱が置いてあって、ヤルヴィに意見が言えるというもの。今後のシーズンにアイディアを採用するかもしれないと書いてありました。プログラム冊子にも、いくつかの質問・意見と回答が紹介されていました。

ASK PAAVOと言っても、実際はオーケストラのスタッフが対応するのでしょうが、ネーミングが素晴らしいと思いました。

アーティストとの交流

この日は、終演後もホワイエでヤルヴィやズーカーマンとお客さんの交流の場が設けられていました。

来シーズンの予約

ホワイエには、来シーズンの定期会員の申し込みコーナーがあり、資料とともにスタッフもスタンバイ。当日申し込みをすると、チョコレートがもらえるそうです。

定期会員は、最大50%オフになる他、チケットの交換も無料で無制限とかなりメリットが大きい。

プログラム冊子

プログラム冊子は、プログラム毎に作成されていました。寄付者の名前が載っているページが5ページで、広告もローカル企業が多いです。ページ数も全体で40ページと、シカゴ響の112ページに比べると少ない。

内容面でいいと思ったのは、曲の解説ページの右側に専門用語の解説が一緒に載っていること。

それから、グループセールスが10%割引きなのですが、その日グループで来る団体(29もある!)を紹介して、「歓迎します」とあったこと。

お客さんとヤルヴィ人気

お客さんは、平均年齢が高めの白人がほとんどで、教会で見たのと同じアメリカの良心みたいな風情の人たちでいっぱい。お客さんが良く入っていました。

ヤルヴィは大人気で、出てきただけで最前列のおばあちゃんたちはスタンディング・オベーション。ちなみにサンフランシスコで、出てきただけでMTTにスタンディング・オベーションする人はいません。

まとめ

シンシナティ交響楽団のキーワードは「手づくり感」。お客さんとの距離が近くて、昔ながらのコアなファンがたくさんいる印象です。

管理部門もDevelopmnent(資金調達部隊)が8人と、20人以上いるシカゴやサンフランシスコに比べて小所帯ですが、がんばっていると思います。

夫もおばあちゃんたちが一生懸命応援している姿に、えらく感動していました。

おまけ:シンシナティ観光へ続く

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