潮 博恵(Ushio, Hiroe)
音楽と社会とのつながりをテーマに執筆活動しています。
お茶の水女子大学文教育学部卒業。
法政大学MBA(企業家養成コース一期生)。
大学では音楽学(徳丸吉彦先生の民族音楽学のゼミ)を専攻。卒論では、マレーシアが近代化の過程で固有の音楽と西洋音楽を音楽教育でどう扱ったかをテーマに、マレー系、インド系、中国系の現場でフィールドワークを行った。その後経済のグローバル化が大きく進んだため、今も問われるテーマだと思っている。
法政大学は社会人向けの経営大学院が開講された年に入学。就職してからまだ年数が浅かったため、10年くらい実務経験を積んでから入学していたら、また違う体験になっていたかもしれないと思う。修士論文は「経営理念と企業業績の関係」。面接のときに清成忠男先生に「君ねえ、そんなの関係あるわけないでしょう」とコメントされたことをよく覚えている。私も若くて青かった。でもこの方面はその後SRIやパーパス経営など一つの分野になって行った。
大学卒業後、さくら銀行(現三井住友銀行)にて、10年間総合職として主に法人営業に携わったのち、2006年~2023年3月末まで行政書士として中小企業の英文契約サポートに携わる。
職業生活と並行して、20年以上にわたり国内にとどまらず、海外のオペラ、オーケストラ、音楽祭に出かけては、音楽を楽しむだけではなく、芸術活動を支える仕組みや聴衆のウォッチングを続ける。
2006年偶然出会ったマイケル・ティルソン・トーマスとサンフランシスコ交響楽団の音楽と活動に大きな感銘を受け、彼らを紹介するウェブサイト【続・徹底研究】ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団を始めたのがきっかけで、音楽についての執筆活動を開始。
2012年10月彼らに関する探究の成果をまとめた『オーケストラは未来をつくる――マイケル・ティルソン・トーマスとサンフランシスコ交響楽団の挑戦』(アルテスパブリッシング)を刊行。
2013年春よりオーケストラ探究の第二弾として“オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)”に取り組み、2014年9月、OEKの設立から四半世紀の活動を総括するとともに未来を展望し、地域におけるオーケストラのあり方を考察する『古都のオーケストラ、世界へ!――「オーケストラ・アンサンブル金沢」がひらく地方文化の未来』(アルテスパブリッシング)を刊行。
OEKの本がご縁となり、2017年より いしかわ・金沢「風と緑の楽都音楽祭」へ参画。フェスティヴァルアドバイザーとして公式ガイドブックの制作や各メディアへの寄稿などを担う(2024年よりガルガンチュア音楽祭に名称変更)。また、金沢発のオペラ制作にもペンの力で参加。2014年初演の泉鏡花原作の『滝の白糸』、2023年初演の仏教哲学者・鈴木大拙を題材にした『禅~ZEN~』など、作品がレパートリーとして定着し、地域の宝になることを目指し応援を続けている。
2024年2月、コンサートホールの音響設計における世界的な第一人者である豊田泰久さんと音楽ジャーナリスト・評論家の林田直樹さんによる“音楽”についての対談本『コンサートホール×オーケストラ 理想の響きをもとめて 音響設計家・豊田泰久との対話』に著者として参画。豊田さんの業績や対談のトピックスについての解説を担当した。
2014年9月~2015年4月まで、世界2.5周の地球探検プロジェクトを行い、帰国後、夫とともに合同会社うしお事務所を設立、2016年夏から栃木県北で中小企業の経営支援や若い世代のチャレンジを応援する活動に取り組んでいる。
2022年~2023年の2年間は全国46都道府県を訪ね、各地域で起きている変革や新たな価値をつくるための取り組みを視察するとともに、歴史や風土、固有の文化を体験。20代から海外にばかり出かけていて国内は足を運んだことがない地域がほとんどだったこともあり、日本という国にあらためて向き合って考えることになったこの経験は、視野やものの見方に大きく影響するものとなった。
石川県野々市市出身、金沢泉丘高校卒業。
「音楽とともに生きる」人生を標榜、現在は2016年より受講している那須野が原ハーモニーホールのオルガンスクールでオルガン演奏を楽しんでいる。趣味はおいしいものを食べること。